一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
トップページ サイトマップ お問い合わせ
会社概要
会員名簿
リンク
お問い合わせ
サイトマップ
news

「斜面防災対策技術フォーラム‘11」 in 富山
を平成23年10月6日(木)、7日(金)に開催しました。

本フォーラムは、毎年、全国の支部が持ち回りで開催されており、今年は富山県支部が担当しました。以下にフォーラムの状況をお知らせします。

  • 主 催:(社)斜面防災対策技術協会、
         (社)斜面防災対策技術協会富山県支部
  • 後 援: 国土交通省北陸地方整備局、林野庁中部森林管理局、富山県、
         (社)日本地すべり学会、(財)砂防・地すべり技術センター、
         全国地すべり防止工事士会、富山県治水砂防協会

講演会

フォーラムには国、県、全国会員、県支部会員など約260名、特別討論、特別講演会には一般県民の参加を約100名頂き、約360名の多くの参加があり、盛大に開催することができました。

「斜面防災対策技術フォーラム‘11」会場

 

 会場前ロビーには、国交省、県、各会員、賛助会員からのパネル展示がされ、東日本大震災の写真や、立山砂防事務所での土砂災害対策、富山県の土砂災害対策、各社が開発した新技術の紹介する展示ブースが設けられ、多くに技術者の情報交換の場になっていました。

「斜面防災対策技術フォーラム‘11」パネル展示

 

開会

(社)斜面防災対策技術協会 奥山会長の開会挨拶

(社)斜面防災対策技術協会 奥山会長

富山県 石井隆一知事の祝辞

富山県 石井隆一知事

国土交通省 南哲行砂防部長の祝辞

国土交通省 南哲行砂防部長

林野庁 中部森林管理局長(代理:村上卓也治山課長)の祝辞

林野庁 中部森林管理局長(代理:村上卓也治山課長)


富山県支部は事業活動の社会貢献の一つとして、社会参加を目指している「富山県立しらとり支援学校」の生徒4名に、就業体験としてフォーラム会場で受付、案内係として働いてもらいました。

技術発表会

 当協会の会員技術者による「斜面防災対策」に関する最近の研究成果を発表し、会員相互の情報の発信、技術交流を通じて、会員の技術力の向上に繋がりました。
 発表は「地すべり機構」、「対策工一般」、「地震関連」、「観測監視」、「崩壊調査対策」、「落石等対策」の6部門で20編の発表が行われました。また、今年度から、会員の技術力の向上の一環として、技術発表優秀者を2編選定し、表彰が行われることになりました。

発表のテーマと発表者は別表の通りです。

技術発表会 技術発表会

特別討論会

 東日本大震災によって発生した災害の被災状況や復興・復旧に向けた取り組みなどの現状の報告を行い、竹内章富山大学大学院教授、山下国土交通省砂防施設評価分析官、吉友嘉久子氏、村尾富山県支部長が「産、官、学、民」のそれぞれの立場から話題提供をしていただきました。
 山下分析官 : 東日本大震災及び台風12号、15号による土砂災害の被害状況、復旧状況等について報告がありました。
 竹内教授 : 富山県における活断層に起因する地震の発生の可能等について報告。
 吉友氏 : 安政5年(1858年)に発生した「飛越地震」による災害の状況の報告とこの災害を語り継ぐことの大切さを話されました 。
 村尾支部長 : 富山県支部が行っている国、県、市町村との災害支援活動の概要。
 各パネラーからの話題提供を踏まえ、討論では、それぞれの地域性を十分に踏まえ、地震や津波などの自然災害に備えたどのような取り組み、対策が必要かソフト・ハードの両面から討論を実施しました。

特別討論会

特別講演

 藤井聡京都大学大学院工学研究科教授による<「列島強靭化」における日本海側緒都市の役割>と題して講演を頂きました。

特別講演 藤井聡京都大学大学院工学研究科教授

  日本での公共投資の背景はヨーロッパや米国等との国土の地形的な成り立ちが全く違う。具体には、地震、地震に伴う津波、火山噴火、多くの台風の上陸などによる災害が多く、国土の基盤整備である治水・治山対策が重要である。また、広域的に高速交通網(高速道路、新幹線)結ぶ(繋ぐ)ことによって、強靱な国土(日本列島)が出来る。
 しかし、今、日本は‘97以降、「土木」(公共投資)は要らないと国は公共事業を削減し続けて、GDPが激減、デフレを深刻化している。
 藤井教授は、 今の日本の「デフレ」状況を脱却するためには財政出動が重要である。市場に金が回らないと経済は動かない。このため、積極的で大規模な公共投資による財政出動により、国民の需要(消費)の創出を促し、「デフレの脱却」が必要であると力説されていました。
 最後に、今後、太平洋側を中心に巨大地震が発生する可能性が高い。このため、今の内から日本海側の強化が重要。このために公共事業に予算を付けて、対策をしっかりとやるべきである。と講演を締められました。

閉会

本部黒川フォーラム委員長より、次の2名に技術発表優秀者表彰の授与がありました。

技術発表優秀者表彰

A会場
奥山ボーリング
戸沢 匡 氏
論文名「狼沢地すべりにおける集水井掘削地質から見た地すべり移動地塊の傾動メカニズム」

B会場
潟Gイト日本技術開発
後根 裕樹 氏
論文名「トンネル抗口のり面で発生した斜面崩落の一事例」


村尾富山県支部長の閉会挨拶

村尾富山県支部長

現地見学会

 10月7日(金)には立山砂防カルデラ現地見学会を実施しました。

 35名の参加があり、立山砂防の事業の始まりから土砂災害の歴史等について、立山カルデラ砂防博物館で説明を聞きました。その後、工事用専用軌道[通称「立山トロッコ]」に乗って、立山カルデラ内を視察しました。カルデラ内には国指定重要文化財の白岩砂防堰堤や泥谷砂防堰堤、立山温泉跡、跡津川断層の露頭箇所などを体感してきました。

 見学会は朝8時間半から約8時間の行程でしたが、全国の方に立山カルデラ内での砂防事業の現状を見て頂き、世界文化遺産登録に向けた富山県の取り組みを知っていただきました。

現地見学会 現地見学会