一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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広島土砂災害現地調査結果

はじめに

平成27年10月21日(水)〜10月22日(木)の日程で、広島土砂災害現場の視察を行いました。
参加メンバーは、竹内章富山大学教授を団長にして20名が現地視察に参加しました。

被害状況

平成26年8月19日夜から20日朝にかけての豪雨により土砂災害が発生しました。
被災時の降水量は、広島市安佐北区において、最大1時間降水量101.0mm、最大3時間降水量217.5mm、最大24時間降水量257.0mmと、いずれも観測史上第1位であるが、そのほとんどが、被災した時の3時間に集中しています。
この激しい豪雨より、土石流等が107件、がけ崩れが59件の計166件、死者75名、負傷者68名の土砂災害が発生しました。

現地視察

現地視察は、テレビニュース等でも話題になった渓流を中心に行いました。
国土交通省中国地方整備局太田川河川事務所提供の渓流の被災当時の状況です。
渓流の出口に県営住宅が立ち並んでいることがわかります。
視察時の渓流の出口付近からの下流側の状況です。
土石流が流れたと思われる部分は更地となっています。
坂道はテレビニュースで見るより、はるかに急に感じました。

視察時は、国土交通省中国地方整備局太田川河川事務所の職員の方が同行され、熱心に説明をしていただきました。
恒久対策が整備されるまでの期間、応急対策として、強靭ワイヤーネットと土石流センサー警報機が設置されていました。
中粗粒の花崗岩の露頭です。一見、硬質な岩塊が多いようにも見えますが、マサ化が著しい部分もあります。
現地視察では、実際に中粗粒花崗岩の露頭から、岩塊を採取して詳しく観察しました。

渓流の堰堤工の施工状況です。袖部の地山を掘削している段階でした。
渓流の奥には、応急対策の強靭ワイヤーネットが確認できます。
砂防堰堤完成までの緊急対策として、対応が必要な24渓流すべてで、強靭ワイヤーネット工の設置が完了しています。
砂防堰堤工の施工は、毎月20日と日曜日を除き、ほぼ毎日行われています。
渓流は、う回路がなく、最下流の踏切がボトルネックとなるため、復旧工事に先立ち、まず、踏切の拡幅が行われました。

おわりに

今回の視察は、土砂災害の気象原因、地理・地質的条件や対策工事の現状を調査したものです。
この視察で得た内容については、会員はもとより、広く県民に伝えるとともに、これを教訓として、今後とも防災事業の必要性を訴えることが重要であると考えています。

このため、この視察調査の報告は、2016年2月に開催の「斜面防災対策技術講演会」で発表することにしています。講演会の開催日程については、支部のホームページで案内しますので、皆様の参加をお待ちしています。
世界遺産の広島宮島で記念撮影をしました。