当協会では、平成29年7月5日から6日にかけて発生した九州北部豪雨災害調査を令和2年10月28日(水)〜10月30日(金)の日程で実施しました。
調査は、竹内章富山大学名誉教授を団長にして23名の団員で行いました。この調査には、富山県立大学環境・社会基盤工学科の学生2名にも参加していただきました。
平成29年7月5日から6日にかけて線状降水帯が形成・維持されたことで、九州北部で局地的に非常に激しい雨が降った。
福岡県、大分県に九州地方では初めての大雨特別警報が発表され観測史上最も多い記録的な雨量を観測。
これらの影響で、河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生し、死者・行方不明者41名、重傷者13名、軽症者12名、住宅全壊335棟、半壊1091棟、床上浸水172棟、床下浸水1441棟の被害があったほか、国道県道が寸断されるとともに、JR線等も橋梁の流出により途絶した。
今回は、最も被害の大きかった朝倉市の赤石川を中心とした被災、復旧状況の調査を行った。
現地調査は新型コロナ対策と現地の悪路を考慮し、小型バス2台に分乗して、行いました。
現地の案内は、国土交通省 九州地方整備局 筑後川河川事務所 九州北部豪雨復興出張所 地域防災調整官(砂防事業担当)の川合康之様から、概要説明、復旧状況について丁寧なご説明をいただきました。
現場調査状況は、下記のとおりです。
工事用道路と異形ブロック積みによる仮設水路が完了し、流出土砂がかなり抑えられたそうですが、ブロック積みによる仮設土砂止め堰堤も作られて捕捉土砂が搬出されていました。
汐井足川では、大規模斜面崩壊対策として盛土による法抑えや流木、土石流対策として強靭ワイヤネット工が実施されていました。
赤谷川の概要説明
赤谷川上流部の踏査調査
仮土砂止め工による土砂捕捉
汐井谷川大規模斜面崩壊箇所
強靭ワイヤーネットの前で集合写真
赤谷川の被災状況写真
汐井谷川大規模斜面崩壊写真
今回の災害地調査では、豪雨災害の恐ろしさと、災害に備えるソフト・ハード面での防災対策の重要性について身を持って感じました。
この調査で得た貴重な体験については、会員はもとより、広く県民に伝える必要性が重要であると考えています。
この現地調査の結果については、来年2月9日に富山市で開催します斜面防災対策技術講演会で発表することにしています。