一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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由比地すべり(富士砂防)視察研修会の実施結果

はじめに

当協会では、令和6年9月30日(月)から10月2日(水)の3日間の日程で、神奈川県所管の大涌沢地すべり対策事業をはじめ、国土交通省富士砂防事務所所管の由比地すべり対策事業、大沢川遊砂地(大沢崩れ対策工事)工事の視察調査をしてまいりました。
調査は、竹内章富山大学名誉教授を団長にして24名の団員で、協会関係者の他、富山大学と富山県立大学の学生2名にも参加していただきました。

行程

〇場所 : 神奈川県箱根町、静岡県静岡市、富士宮市ほか

・1日目 : 富山駅から新幹線にて小田原駅着
バス、ロープウェイにより大涌谷駅にて神奈川県砂防課様から大涌沢 地すべり対策事業についてご説明いただきました。
箱根湯本温泉(泊)

・2日目 : 由比地すべり事業の工事現場にて、富士砂防事務所長様から全体事業概要のほか、直径5m・深さ76mの深礎杭や集水井の実施状況や排水トンネル内で集水ボーリングの様子もご説明いただきました。
午後は、大沢川遊砂地工の現場へ移動し、広大なエリア内において、ブロック積床固工や流路工、上流部の観測所の状況を視察しました。
富士山本宮浅間大社視察
富士宮市内(泊)

・3日目 : 三保の松原、久能山東照宮を観光の後 帰県

現地調査写真

大涌谷での概要説明

大涌谷での概要説明

由比地すべり深礎杭

由比地すべり深礎杭

由比地すべり仮設工台にて

由比地すべり仮設工台にて

現場直下のインフラ施設

現場直下のインフラ施設

排水路トンネル

排水路トンネル

大沢川での集合写真

大沢川での集合写真

大沢川最上流の観測施設

大沢川最上流の観測施設

富士山本宮浅間大社

富士山本宮浅間大社

おわりに

大涌谷では今でも噴気活動が続いており、明治43年に発生した地すべり以降大小の地すべりが発生して、下流域の温泉街等への大量の土砂流出が心配されております。
近年の事業では、山腹工やアンカー工などが実施されていますが、高温高圧の噴気ガス等の影響で基盤岩が脆弱で、対策施設の損傷が何か所も見受けられたり、アンカー工の材質に噴気ガスに耐えられる材質を使用したりと大変ご苦労なさっておられる様子がうかがえました。
由比の地すべり対策工事現場では、直下に東海道本線や国道1号、東名高速道路などの重要インフラが海と崖に挟まれた狭隘な箇所を通過し、対策工事の重要性を身をもって感じることが出来ました。
大沢川の遊砂地工事では、流出する火山灰土を通水性が良いことなどから、道路の盛土材に使用したり、土壌改良材などとして有効活用する試みが進められているとの説明がありました。
この現地調査の結果については、当協会が来年2月12日(水)に富山市で開催します斜面防災対策技術講演会で発表することにしています。
末筆ながら、視察先各所でご説明いただいた皆様、事前のお手配をいただいた関係者の皆様にこの紙面をお借りして感謝申し上げます。